波形スレート屋根をカバー工法で改修|屋根工事から雨樋取替まで
今回は、経年による傷みが見られた波形スレート屋根のカバー工事を行いました。
既存の屋根をすべて撤去するのではなく、現在の屋根を活かしながら、その上から新しい金属屋根材を施工していく工法です。
屋根本体の施工に加えて、棟・ケラバなどの板金役物、軒樋・竪樋の取替まで行い、屋根まわりをまとめて改修しました。
工事前の打ち合わせから完成後の社内検査まで、順番にご紹介します。
1.打ち合わせ・現場採寸|工事前に屋根の状態を確認
まずは現地でお客様との打ち合わせを行い、屋根の大きさや形状、軒先・棟・ケラバなどを採寸します。
既存の波形スレートの状態や固定方法、雨樋の位置なども確認し、新しい屋根材や板金役物をどのように納めるかを決めていきます。
屋根工事は、実際に施工を始める前の採寸と納まりの確認がとても大切です。
「施工前の波形スレート屋根を確認」

施工前現況写真


現況写真
2.足場設置|安全に作業できる環境づくり
工事に入る前に、建物のまわりへ作業用足場と飛散防止ネットを設置します。
今回の工事では屋根全体を移動しながら作業を行うため、職人が安全に作業できるよう、屋根の高さや形状に合わせて足場を組みました。
材料の荷揚げや雨樋工事にも使用するため、施工全体を支える大切な準備工程です。
屋根工事に備えて作業用足場を設置




3.C形鋼まわりの電線を確認・取り出し
屋根の下にあるC形鋼(Cチャンネル)まわりには電線が配線されている箇所がありました。
新しい屋根材を固定する際に、ビスなどが電線に干渉しないよう、施工前に配線の位置を確認します。
C鋼(母屋)内配線取出し作業

取出し作業写真


必要な部分は一度取り出して作業しやすい状態にし、屋根材を安全に固定できるよう準備を行いました。
完成後には見えにくくなる部分だからこそ、施工前の確認を丁寧に行います。
4.既存軒樋の撤去|雨樋工事の準備
続いて、既存の軒樋を取り外します。
既設軒樋受け金具の撤去



屋根を新しくカバーすると軒先の高さや出幅が変わるため、新しい屋根に合わせて雨樋の位置も調整する必要があります。
既存の軒樋や金具を撤去し、屋根工事を進められる状態に整えていきます。
5.安全ネット設置|屋根上での作業に備えます
足場の設置後、屋根面には安全ネットを張りました。
屋根面に安全ネットを設置



写真を見ると、既存の波形スレート屋根を覆うように白いネットが設置されています。
屋根工事は高所での作業となるため、施工そのものと同じくらい安全な作業環境づくりも大切です。
6.既存スレート屋根のボルトをカット
既存の波形スレート屋根には、屋根材を固定しているボルトが屋根面から出ています。
そのままでは新しい屋根材をきれいに重ねることができないため、カバー工事に支障となる部分のボルトを順番にカットします。
カバー工事に備えて既存ボルトを処理


新しい屋根材が安定して納まるよう、屋根面の状態を確認しながら作業を進めていきます。
7.屋根材の搬入・荷揚げ|施工しやすい位置へ配置
下準備が整ったところで、いよいよ新しい屋根材を現場へ搬入します。
レッカーを使用して新しい屋根材を荷揚げ


今回のような長尺の金属屋根材は、人の手だけで屋根上まで運ぶことが難しいため、レッカーを使って屋根の上へ荷揚げしました。
屋根上では、施工する順番や職人が歩くスペースを考えながら、材料を分けて配置します。
材料を一か所へまとめすぎず、屋根にかかる荷重と作業性を考えながら配置することも大切なポイントです。
8.屋根カバー工法|新しい金属屋根材を施工
材料の準備ができたところから、既存の波形スレート屋根の上へ新しい金属屋根材を施工していきます。
既存スレート屋根の上から新しい屋根材を施工



屋根材の重なり・通り・固定位置を確認しながら進めます。
使用材料:エバールーフやまなみⅠ型
今回使用している屋根材は、「エバールーフやまなみⅠ型」です。
既存の大波スレート屋根を撤去せず、現在の屋根を活かしながら上から新しい屋根材を施工できるカバー工法用の屋根材です。撤去作業を抑えられるため、工期の短縮や廃材の削減につながります。
金属製でありながら約5kg/㎡と軽量で、建物への負担を抑えながら屋根を改修できる点も大きな特長です。さらに、多面折り形状によって強度を確保し、耐久性とすっきりとした仕上がりを両立しています。
工場や倉庫などの大波スレート屋根の改修に適しており、建物を使用しながら工事を進めやすいこともメリットのひとつです。
屋根の棟部分へ、屋根形状に合わせてラジアル加工された棟包みを取り付けました。棟部分は雨水の侵入を防ぐうえでも重要な箇所となるため、屋根材との取り合いや固定状態を確認しながら丁寧に仕上げています。


屋根全体を葺き終えたあとは、ビスの締め付け状態を確認しながら本締めを行います。仮固定の段階から最終的な位置を整えたうえで本締めすることで、屋根材をしっかりと固定していきます。
施工途中の写真では、既存のスレート屋根と、新しく施工した金属屋根が一緒に見えるため、カバー工法の仕組みがとても分かりやすく確認できます。
9.ケラバ・棟の施工|屋根の端部を板金で仕上げ
屋根本体を葺き終えたところから、ケラバや棟部分の仕上げへ進みます。
ケラバ部の施工|仕上がりまでの流れ





棟やケラバは屋根の端になる部分なので、雨水が入り込みにくいよう、屋根の形状に合わせて板金役物を加工・取り付けします。
完成後は屋根材と板金がそろい、すっきりとした屋根のラインに仕上がります。
10.新しい雨樋受け金具を取り付け
屋根工事が進んだところで、次は雨樋工事に入ります。
まず、新しい軒樋を取り付けるための受け金具を取り付けます。
水がきちんと流れるように糸を張って基準をつくり、軒樋の勾配と高さを確認しながら一つずつ金具を固定します。
勾配を確認しながら新しい雨樋金具を設置


写真でも、軒先に沿って金具が一定の間隔で並んでいる様子が確認できます。
11.軒樋設置|屋根から流れる雨水を受けます
受金具の位置が整ったら、新しい軒樋を取り付けます。
今回使用する前高130WIDEには、軒継手・伸縮継手・止まりなどの部材を組み合わせ、建物の長さや形状に合わせて施工していきます。
取り付けた受金具に軒樋を設置


(外パッチン式)
屋根から流れてきた雨水をしっかり受けられる位置になるよう、屋根の先端との取り合いも確認します。
屋根だけでなく雨樋まで新しくすることで、屋根まわり全体がすっきりとした仕上がりになります。
Panasonic 大型雨とい エアロアイアン 前高130wide

今回使用している軒樋は、パナソニック製の「大型雨とい エアロアイアン 前高130WIDE」です。
大型の屋根にも対応できる高い排水能力を備えながら、スチールの強さと軽量な樹脂を組み合わせた構造により、丈夫さと施工のしやすさを両立しています。
さらに、軒樋を支える金具が外側から見えにくい内吊り方式となっているため、軒先をすっきりとした印象に仕上げられる点も特長です。
12.集水部分・竪樋を取り付け
軒樋の施工後は、軒樋に集まった雨水を地上へ流すための竪樋を取り付けます。
軒樋から竪樋へ雨水を落とす部分にはドレンやソケットを使用し、建物の形状に合わせながら配管していきます。
排水計画をしたうえで竪樋を設置


竪樋は壁面に沿って固定し、雨水がスムーズに排水されるように仕上げます。
13.屋根・雨樋工事完了|仕上がりを確認
屋根材、棟・ケラバなどの板金役物、軒樋・竪樋の施工が終わると、屋根全体が新しい姿になります。
施工前は経年による色あせや劣化が目立っていた波形スレート屋根でしたが、カバー工法によって明るくすっきりとした金属屋根へ生まれ変わりました。
カバー工法で仕上がった屋根全景その他付帯工事





既存の屋根を活かしながら改修できるのが、今回行った屋根カバー工法の大きな特徴です。
14.社内検査|最後までしっかり確認して工事完了
すべての施工が終わったら、最後に社内検査を行います。
屋根材やビスの固定状態、棟・ケラバなどの板金納まり、軒樋の勾配や竪樋との接続、施工中に傷や汚れが付いていないかなどを確認します。
足場撤去・最終確認を行い工事完了
自社検査が完了したあとは、足場の撤去作業を行いました。
あわせて、工事前の準備段階で一時的に移動していた配線の復旧作業も行い、施工前の状態へ戻していきます。
自社検査後の足場撤去




足場撤去後には、屋根上や建物まわりの清掃を行い、ゴミや資材の残りがないか、建物や外構に傷や汚れなどがないかを改めて確認しました。
すべての確認を終え、問題がないことを確認して、今回の屋根カバー・雨樋取替工事は無事に完了となりました。
工事を終えて|お客様とのご縁に感謝
弊社は岐阜県を拠点に、岐阜県を中心として施工を行っております。
今回は愛知県のお客様から直接お問い合わせをいただき、工事をお任せいただきました。
このようなご縁から施工させていただけたことを大変うれしく思います。
これからも、一つひとつの工程を丁寧に確認し、安心して長くお使いいただける施工を心がけてまいります。
このたびは弊社へ工事をご依頼いただき、誠にありがとうございました。

当社では、高度な板金技術を持つ専門スタッフが、
「屋根・外壁点検」および「雨漏り調査」を無料で承っております。
※大掛かりな調査が必要な場合のみ、事前に内容をご説明したうえで費用をご相談させていただく場合がございます。


まずは現状を知ることから始めませんか?お気軽にお問い合わせくださいね🎵


















