前回の工程で、鉄板製のやまなみⅠ型の取り付けまで完了しました。

続いて、ラジアル加工を施した部材の取り付けを行います。各部材を所定の位置に合わせて仮止めし、全体の納まりや通りを確認したうえで、いよいよ本締め作業に入ります。

本締めでは、各部材の位置を確認しながらボルトを確実に締め付け、しっかりと固定していきます。
やまなみⅠ型の本締めとケラバ包み
やまなみⅠ型の本締め作業と並行して、屋根の端部となるケラバにはケラバ包みを取り付けていきます。
ケラバは屋根の端部にあたり、風の影響を受けやすい部分です。特に屋根材の先端部が下地から離れている箇所では、強風によって屋根材がめくれ上がるおそれがあります。

そのため、取り付けの際には、下地の位置をしっかり確認し、ビスを確実に下地へ効かせて固定することが重要です。
また、板金と屋根材との間に隙間があると、そこへ風が入り込んで板金を持ち上げる原因になる場合があります。


そこで、アングル補強材で屋根材の端部をしっかりと押さえ込み、その上からビスで固定していきます。
ケラバは雨仕舞いだけでなく、風によるめくれを防ぐためにも重要な部分です。板金をただ取り付けるのではなく、風が入り込まない納まりと、確実に下地へ固定することを意識して施工します。
軒樋の吊り金具を取り付け
屋根材と役物の施工が進んだところで、次に軒樋の取り付けを行います。


まずは、軒樋を固定するための吊り金具を取り付けていきます。
使用した吊り金具は、一見すると曲がっているように見えますが、これは変形しているわけではありません。
屋根には勾配が付いているため、その勾配に合わせて金具にあらかじめ曲げ加工が施されています。
これにより、屋根の斜めになった面に金具を取り付けても、軒樋を適切な向きに納めることができます。
吊り金具の高さを一つひとつ調整しながら、軒樋に溜まった雨水が落とし口に流れるように取り付けていきます。
軒樋の取り付け
使用する軒樋は、パナソニック製「前高130WIDE」です。

画像出典:https://sumai.panasonic.jp「パナソニック 前高130WIDE」商品ページより引用
前高130WIDEは、一般的な軒樋よりも大きめのサイズで、雨水を多く流せることが特徴です。今回のように屋根の面積が大きい現場では、降った雨をしっかり受けて排水できる軒樋を選ぶことが重要です。
また、樹脂製でありながら内部にスチール芯が入っているため、軽量で施工しやすく、強度もしっかり確保されています。
軒樋の継ぎ手を使用
軒樋は4mの長さのものを使用するため、約20mの施工範囲では複数本をつなげて取り付けます。
軒樋同士をつなぐ部分には、専用の軒継ぎ手を使用します。

継ぎ手を使ってしっかり接続することで、軒樋のつなぎ目から雨水が漏れないように納めることができます。
また、軒樋は気温によって伸び縮みするため、施工する場所や長さに応じて伸縮軒継ぎ手を使用します。
軽量で加工しやすい竪樋材
今回使用した縦樋には、VU管を使用しました。


VU管は、VP管に比べて肉厚が薄く、軽量であるため、現場でのカットや加工がしやすいという特徴があります。
また、加工性に優れているため、現場の寸法に合わせた切断や継ぎ手を使用した接続なども行いやすく、雨水を建物の外へ流す排水管として使用されています。
今回の施工でも、軒樋で集めた雨水をVU管へ流し、縦樋として建物の外部へ確実に排水できるように施工しました。
工事を通して学んだこと
スレート屋根のカバー工法を学びました。施工の流れだけでなく、作業前の準備や安全管理についても学びました。
特に勉強になったのが、屋根材を上げる前の準備です。材料を屋根に上げる際は、どこに置くのか、荷重が一箇所に集中しないか、作業する人が安全に動けるかなど、事前に考えておくことが大切だと分かりました。
屋根の上では、材料の落下や足元からの墜落など、さまざまな危険があります。作業を始める前に危険な場所を確認し、事故や災害を起こさないための準備をすることが重要だと改めて感じました。
また、屋根の勾配に合わせた棟板金の加工や取り付けについても教えてもらいました。棟板金は屋根の勾配によって加工が変わるため、発注する際の聞き取りや寸法の確認がとても大切です。
今回は、施工だけではなく「準備をしっかり行うことが、良い施工につながる」ということを学べた現場でした。
今回教えていただいたことをしっかり覚えて、次の現場でも活かせるよう、一つひとつ経験を積んでいきたいと思います。

















