【新米スタッフの現場成長日記】vol.62 はじめてのスレート大波屋根のカバー工法

はじめてのスレート大波屋根のカバー工法

以前記事施工前準備工事としてC鋼から電気配線を取り出しを行った現場のスレート大波屋根のカバー工法を学びました。

今回は、施工前に行った準備作業から、屋根材を葺き終えるまで流れ段取りについて学びました。

今回の現場では、既存のスレート大波屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を施工するカバー工法」を行いました。

使用した屋根材は「やまなみⅠ型」です。

引用元:株式会社メトーカケフ https://kakefu.co.jp/kenzai/

スレート屋根のカバー工法では、ただ新しい屋根材を上からかぶせるだけではありません。既存屋根を固定しているボルトや下地の位置軒樋などの既存設備を確認し、新しい屋根材を施工するための準備を一つひとつ行っていきます。

目次

まずは屋根上での安全対策

スレート屋根の改修工事で、最も注意しなければならないのが、踏み外しや踏み抜きによる墜落事故です。

既存のスレートは、経年劣化によって強度が低下している場合があります。見た目では問題がないように見えても荷重がかかったことで割れたり踏み抜いたりする危険があります。

そのため、屋根上での作業を始める前に、安全ネットを施工範囲に設置しました。

万が一作業中に足を踏み外してスレートが破損した場合でも墜落による重大な事故を防ぐための安全対策です。

スレート屋根の改修工事では、屋根材の施工方法だけでなくまず安全に作業できる環境をつくること」が重要になります。

既存スレートを固定しているフックボルトを確認

安全対策が完了したら、次に既存スレートの固定方法下地の位置を確認します。

工場などの大波スレートは、基本的に母屋となるC形鋼いわゆるC鋼の位置に合わせてスレートを貫通してフックボルトなどで固定されています。

フックボルト付近にC鋼が配置されています

そのため、屋根材をしっかり固定できる下地位置は限られています。

今回の現場でも、既存スレートを固定しているフックボルトのライン付近C鋼が配置されていました。

この既存の固定位置を確認し、新しく施工するやまなみⅠ型についても、C鋼の位置に合わせて固定できるように施工計画を立てます。

フックボルトの長さを調整

カバー工法では、既存スレート上に新しい屋根材を重ねるため、既存のフックボルトがそのまま残っていると、新しい屋根材と干渉する可能性があります。

そこで施工前に、スレートに固定されているフックボルトのセンター位置突出している長さを確認し、必要に応じてクリッパーなどを使用して長さを調整します。

新しい屋根材を施工した際に、既存のボルト先端屋根材当たったり、納まりの邪魔になったりしないよう事前に処理しておくことがポイントです。

こうした作業は屋根材を施工してしまうと後から手を入れにくくなるため、カバー材を載せる前しっかりと確認しておきます。

既存の軒樋・吊り金具も新しく交換

今回の工事では、屋根だけではなく、既存の軒樋も新しいものへ交換します。

そのため、既存の軒樋を撤去するとともに、スレートに取り付けられている既存の吊り金具についても確認し、新しい軒樋を取り付けるための準備を行います。

屋根をカバーするだけでなく、軒先の排水設備まで含めて改修することで、屋根から流れてくる雨水を適切に軒樋へ落とし、建物外部へ排水できるようにします。

屋根材と軒樋別々の工事に見えますが、実際には軒先の納まりに大きく関係するため、屋根を施工する段階から軒樋の位置吊り金具の納まり勾配考えておくことが重要です。

山波一型の施工範囲と屋根材の構成

今回使用したやまなみⅠ型は、既存のスレート大波屋根の上に施工していきます。

屋根材は、基本的に軒先側から棟方向へ施工していき、下から棟一つ手前にあるC鋼付近までやまなみⅠ型施工します。

そして棟部分については、屋根の形状に合わせてラジアル加工された棟使用し、棟を覆う納まりとします。

やまなみⅠ型ラジアル棟搬入配置写真

このように、屋根面の部分棟部分では使用する材料異なり、それぞれの納まりを考えながら施工していきます。

棟は雨仕舞い上重要な部分なので、屋根材の重なりや固定位置シーリングなどを含めて確実に納める必要があります。

荷揚げした屋根材の配置も重要

屋根材を数枚ずつ荷揚げする場合単純に「空いている場所へ置く」のではなく、その後どの順番で屋根を施工していくのかを考えて配置します。

特に今回のような大きな工場屋根では、屋根材を貼るたびに材料を移動させることになると、作業効率が落ちるだけでなく、屋根上で材料を持って移動する回数も増えてしまいます。

そのため、荷揚げする際には、実際に数枚程度を施工したときにスムーズに次の材料へ移れるよう、あらかじめ施工位置を考えて材料を配置します。

どこへ荷揚げするか」は、その後の屋根工事の作業効率に直結する重要なポイントです。

カバー工法は「施工前の段取り」が重要

今回の工事を通して、改めて感じたのが、屋根材を張る前の段取りの重要性です。

既存スレートの状態確認、安全ネットの設置、フックボルトの長さ調整、C鋼の位置確認、軒樋や吊り金具の交換準備そして屋根材の荷揚げ位置まで、屋根を張る前に確認しておくことはたくさんあります。

特に工場の大波スレート屋根は、屋根自体が大きく、材料の荷揚げや配置作業員の動線まで考えて施工する必要があります。

屋根工事は、実際に屋根材を張り始めてからが本番のように見えますがきれいで安全な施工を行うためには、その前段階の「段取り」が非常に重要です。

今回も事前準備をしっかりと行い、既存スレートとの干渉や材料の移動をできるだけ減らしながら、やまなみⅠ型によるカバー工法を進めていきました。

これからも、目に見える屋根材の施工だけではなく、その前に行う下地確認や安全対策材料配置まで一つひとつ丁寧に行い、長く安心して使用していただける屋根づくりを心掛けていきたいと思います。

今日も一日おつかれさまでした。明日もご安全に!

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